2010年8月20日金曜日

i-SIM News 056/大会運営も「ユース」で=YOG現地レポート〈2〉

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。昨日に引き続き、第1回ユースオリンピック競技大会の特別号〈2〉をお届けいたします。派遣チームのチーフ・阿部篤志研究員、今日もよろしくお願いします。
◆大会運営も「ユース」で=YOG現地レポート〈2〉
競技会場の規模は、オリンピックよりもコンパクトで観客席も少ないのですが、大会運営はオリンピックと同様の方式で厳格に行なわれています。どの会場に行ってもまず気づくのは、制服を着たシンガポールの子どもたちが先生の引率で、自分たちのお兄さんやお姉さんのような選手たちの試合を間近に見ているということ。関係者の話によれば、この国のほとんどの小学生がYOGに足を運んでいるそうです。約474万人口の国ならではと思いました。
もう一つ特徴的なのは、大会の進行、記録、計時、審判、レポーター、カメラマンなど、大会運営そのものがとにかく若い役員やボランティアスタッフによって行なわれているという点です。選手のみならず、スタッフとしての経験を若いうちに積むということは、その人自身の成長を促すだけではなく、そこで培われたネットワークを育てていくことで、世界標準の情報と人脈を持ちながら、これからの日本のスポーツを考えていくことができるようになります。
そういった意味でも、スポーツでアジアのハブを目指すシンガポールに残る無形のレガシー(未来に引き継がれるもの)はとても大きく、また今後私たち日本がYOGをどのような機会として捉え、位置づけていくかが重要になると感じました。
<編集後記>
ユースオリンピック競技大会も終盤に差し掛かり、現地で躍動する世界の若人の姿が眼に浮かぶようです。現地の新聞では大きく報道されているようですが、日本では開会式はあっさりと報じられ、その後も目立たないまま。新聞社のスポーツ担当デスクと話してみましたが、「初めての大会で、各社ともどのくらいの規模で記者を派遣し、報道するか判断しにくかった」とのこと。夏の甲子園を筆頭に、各種全国大会などでスポーツ欄が"占拠"される時期であったことも否めません。でも、スポーツに関わる一人としては、残念な気がします。(荒木)