2011年6月16日木曜日

i-SIM News083/情報戦略「知の集約と発信」拠点、いよいよ始動=ISIM情報センター


 仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)は20116月、スポーツ情報戦略に関わるハブ拠点「スポーツ情報戦略研究センター」を開設した。学内外で行われる情報戦略活動の実践者が集い、知識や経験を共有する。また学生は情報戦略の「実務と実践」に触れて学ぶ。その真のねらいとは。(ISIM 阿部研究員)

 ISIMスポーツ情報戦略研究センター(ISIM Sport Intelligence and Technical Research Center)を統括する阿部篤志講師に聞く。

◯ 情報センターを立ち上げたねらいは?
 「情報センターの目的は3つあります。一つは、学科・研究所を立ち上げてから展開されてきた学内外での様々な情報戦略活動を一元化するための「拠点」を設けること。二つ目は、明確な拠点を示すことで情報戦略活動に関わる人の「ネットワーク化」を図ること。三つ目は、学内外における情報戦略に関わる人の繋がりと出入りを通じて情報戦略に関する「知見の集約と発信」を図ることにあります。
 これらを実現することは、仙台大学における情報戦略領域の教育・研究活動の質を高める上で不可欠なことであり、ISIMの創成期であるこれまでの3年間における、情報戦略に関わる様々な挑戦を整理し体系化していく「発展期」へと移行する必要がありました。そのことが、情報戦略研究領域における相互協力協定※を締結しているJISSをはじめとする、学外関連団体との連携を、双方にとってより有益なものへと導くことができると考えるからです。」

◯ どのような取り組みを考えていますか?
 「本年度の情報センターは『支援プログラム(Support and Consulting Program)』と『アカデミープログラム(Academy Program)』の二つの柱で運営する予定です。
 支援プログラムは、学内であれば部活動、学外であれば地域のスポーツ団体などとの連携により、実際の情報戦略支援活動に関わります。『情報戦略支援』という言葉は馴染みがないかと思いますが、簡単に言うと、スポーツに関わるチーム(選手)や組織の目的や目標を達成するための営みに「役に立つ」情報を提供する活動です。映像を撮影してゲーム分析やパフォーマンス分析を支援することもあれば、チームの活動を戦略的に伝えるためのDVDを作成することもあります。ミーティングや会議で配布する効果的な文書(資料)を作成することも情報戦略支援活動の一つです。いずれも大事なことは、目的達成に向けて期待される変化(Effect)を理解し、その変化を生み出すために鍵となるメッセージ(Message)を信頼のおける情報源(Source)から収集した情報内容(Content)を用いて、対象となる人(Target)に効果的に伝達(Operation)していくことにあります。
 その一連の活動で生み出された付加価値のある情報(Intelligence)は、様々なスポーツ活動を進めていく意志決定者の判断と決断を支えます。情報を有効に活用してもらうためには、情報戦略活動を必要とする方々との信頼関係を築くことが不可欠です。私たちは学生が一連の取り組みの中で、そのようなことも含めて、スポーツの価値を認め、情報を正確かつ適切に扱い、問題解決を支えることのできる人へと成長してほしいと願いつつ、プログラムを計画しています。
 アカデミープログラムは、その実践をより質の高いものへと変化させていくための場として、以下のような枠組みでの運営を予定しています。

アカデミープログラムの枠組みと内容(一部計画案)
プロジェクト
内容
情報戦略事例検討会
学内外の様々な枠組み(例えば地域タレント発掘・育成やJISSJOCでの実地研修、部活動など)において行っている情報戦略活動を報告・共有する場とする。学外関係者を招聘した事例紹介も含む
競技間連携情報戦略フォーラム
指導者が集まり、競技力向上において情報をどのような視点や方法で扱っているかを一堂に会す形で共有し、競技を越えたディスカッションを試みる
映像活用ワークショップ
情報戦略活動において一つの活動領域としてニーズが増大している「(競技)映像の活用」に焦点をあてた勉強会とする。
情報(IT)リテラシー向上セミナー
昨年度までの3ヵ年で実施された「情報(IT)リテラシー教育手法の検討」の成果を生かし、仕事を効果的に進める上で必要なスキルの一つとして重要な「情報技術(IT)」に焦点をあてたセミナーを全学公開(オープン)で開催する。この取り組みに対しては、学内からの要望も多く寄せられている
学外連携アカデミー
ISIMとして従来から取り組んできた学外への学生派遣による実践的な教育活動を継続しつつ、同様の活動への参画に高い意志を持つ、より多くの学生に対し、分かりやすく機会が開かれるように調整する機能を果たす

◯ ここで学ぶ学生に向けて一言
 「情報センターは、学生の皆さんがチームとして互いに出会い、学び合い、高まり合うための『場』として用意されました。現在、大学で学ぶ皆さんはもちろんのこと、これから大学進学を目指して勉強をしている高校生の皆さんにも、新しい可能性に挑戦し世界を広げてもらう『場』として、ここを目指してもらいたいと考えています。」

 ISIMスポーツ情報戦略研究センターについての詳しい内容は、スポーツ情報マスメディア研究所(TEL 0224-55-1045/担当:稲福)までお問い合わせ下さい。

※仙台大学とJISSとの「スポーツ情報研究に対する連携協力に関する協定」
 国立スポーツ科学センター(JISS)と仙台大学は200710月、「スポーツ情報研究に対する連携協力に関する協定」を締結し、「スポーツ情報戦略に関わる共同研究やインターンシップの実施等の業務提携・人的交流を通じ、わが国のスポーツ情報分野の発展と次世代に向けた人材育成を図る」ことを目的としました。
 この連携で目指してきたことについては「JISS-仙台大・スポーツ情報戦略連携の可能性~仙台大スポーツ情報マスメディア研究所設立の背景と期待~」(20071219日)に詳しく記されていますのでご覧ください。
http://naash.go.jp/jiss/Portals/0/column/action_54.html


 国立スポーツ科学センターと情報戦略研究で連携(2007年)
~JISSとの提携は私立大学では初~
http://www.sendaidaigaku.jp/new_topics/index.php?id=28&mode=style1 

2011年6月1日水曜日

i-SIM News082/わか杉っ子に新たな顔ぶれ

 5月28日(土)、AKITAスーパーわか杉っ子発掘プロジェクト二期生認定証交付式が挙行された。これでわか杉っ子は一期生5名に加え、二期生4名が新たな仲間となる。式終了後、スポーツ教育プログラム、保護者プログラム、フェンシングプログラムが実施された。(ISIM 粟木一博副所長)
http://isim-suni.blogspot.com/


28日(土)に秋田県スポーツ科学センターで、AKITAスーパーわか杉っ子発掘プロジェクト二期生に対する認定証交付式が行われた。応募者29名の中から選ばれた新たなタレントは成田琉夏(秋田市立大住小5年)、宮崎泰我(男鹿市立船川第一小5年)、酒井さゆり(男鹿市立船川第一小4年)、土佐千乃(秋田市立仁井田小4年)の4名。これでわか杉っ子は前年度選ばれた一期生と合わせて9名になった。
4名はそれぞれ名前を呼ばれると大きな声で元気に返事をして大石勤秋田県企画振興部部長から認定証を手渡された。その後、瀬田川栄一秋田県フェンシング協会会長・県議会議員からの「着実な一歩が尊い」という趣旨の言葉に、子どもたちは真剣なまなざしで耳を傾けていた。一期生の田村涼華(能代市立二ツ井小6年)からは「皆さんを歓迎します。一緒に力を合わせて頑張っていきましょう」とエールが送られた。これに対し、二期生一人一人から「強い気持ちでオリンピックを目指していきたい」と力強い決意表明がなされた。
次に子どもたちはスポーツ教育プログラムの課題に臨んだ。今日の課題は板に打ち付けられた釘の頭に10本の釘を乗せるというもので、かなりの集中力が必要とされる。ただ、今回のプログラムは集中力や根気強く考える力を試すことにもまして、出会った9人の仲間が円滑にコミュニケーションをとれる場を提供することが大きな目的。全員が笑顔で仲良く課題に取り組んでいる姿が印象的だった。保護者たちは別の研修室において、スポーツ教育プログラムやタレント発掘育成事業が目指すことについての説明を聞いた。ここではスポーツの強化が特定の人材に対して行われる時代から、国などからの大きなサポートのもと、タレント発掘育成事業型の時代へと推移しつつあること、そこに参加する子どもたちへの最初のそして最大の支援者は家庭であることが強調された。、合宿研修を含む年数回のプログラムの展開が予定されており、前向きに積極的な態度でプログラムに取り組むわか杉っ子たちに関係者から大きな期待が寄せられている。
      

 今後ご意見ご感想はこちらまでお願い致します。(isim2008@scn.ac.jp)

i-SIM Newsリニューアルのお知らせ

 i-SIM Newsをご覧の皆様の周りで地震津波の被害はありませんでしたか?被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。
 さて、中断していたi-SIM Newsをリニューアルし再開します。新しくなったi-SIM Newsでは、記事の見出しと概要を携帯メールにお送りします。さらに詳しい内容を知りたい方は、研究所のホームページ(http://isim-suni.blogspot.com/)にアクセスして全文を読んでいただくことも可能です。
 携帯メールで詳しくお伝えできなかった研究所活動やお知らせを、画像などを交えて毎月第1、第3水曜日にお届けします。

スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)所長・山内 亨