2010年8月30日月曜日

i-SIM News 058/第3回国際スポーツ情報カンファレンス閉幕

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)非常勤研究員の岩瀬裕子です。今年4月から本学東京事務所におりますが先週はカンファレンス実施に伴い、久々に長い時間をISIMで過ごしました。きょうは、昨日閉幕しました第3回国際スポーツ情報カンファレンスについてお伝えします。
◆トップスポーツの今を解く
会場となった仙台大学、そしてエル・パーク仙台(仙台市)には、8月27日から昨日まで、学生を含むのべ180人を超えるスポーツ関係者が全国から集いました。地域や競技現場の視点、それを伝えるマスメディアからの視点、さらには障がい者スポーツの視点など、さまざまな立ち位置から示唆に富んだセッションが繰り広げられ、参加者全員で「トップスポーツの今」を考えました。なかでも2日目は、先週までお伝えしていたユースオリンピック(14〜18歳が参加)開催の意義を紐といたり、2016年東京オリンピック・パラリンピック招致のレガシー(遺産)をどう引き継ぐかをメーンテーマとして筑波・専修・流通経済大学の学生を交えた学生シンポジムも開かれたりと、若い世代のスポーツを見据える試みも行われました。また、ラグビー元日本代表監督の平尾誠二氏や日本アンチ・ドーピング機構の河野一郎会長による特別講演も開かれ、普段はなかなかお目にかかれない著名なトップスポーツの関係者が持つスポーツ観にも触れることができました。

<編集後記>
仙台大学への進学を目指し、これから深くスポーツに関わろうとしている高校生のみなさん、たとえば、少子化が進む今、トップスポーツを続けるために住民票を移し「校区」を変える越境通学をどう思いますか。みなさんは、スポーツで負けた時、誰かから怒られた時、心から「くやしい」「今に見ていろ。次はやってやるぞ!」という気持ちを持ったことはありますか。スポーツの持つさまざまな価値(意義)を一緒になって考えましょう。それが、スポーツ市民、私たち一人一人の役目だと考えます。本件に関するご意見・お問い合わせはisim2008@scn.ac.jpまでお寄せください。(岩瀬)

2010年8月23日月曜日

i-SIM News 057/世界と繋がる第一歩=YOG現地レポート〈3〉完

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の木間です。
阿部研究員の前半調査を引き継ぎ、8月17-22日の間に研究所から木間・稲福の両スタッフが第1回ユースオリンピック競技大会へ視察調査に行って参りました。特別号〈3〉としてYOG現地レポートをお届けいたします。派遣チームの稲福貴史研究スタッフ、よろしくお願いします。
◆世界と繋がる第一歩=YOG現地レポート〈3〉完
ISIMの稲福です。今日は皆さんにシンガポール現地レポートの締めくくりをお届けいたします。事前調査では、第1回ユースオリンピック競技大会(YOG)における文化・教育プログラム(CEP)は選手だけが参加し、そこからオリンピックバリューの「Excellence(卓越)」「Friendship(友情)」「Respect(尊重)」を学んで行くことであると理解していました。
しかし、ユースオリンピックの現地ではプログラム実施以前に、若いスタッフが積極的に運営に参加することでYOGそのものを盛り上げ、同世代の選手とのコミュニケーションの中でお互いにアイデンティティを確立しながら、異文化交流を行っていました。
スタッフにインタビューを行ったところ、彼らのほとんどが世界の人々と触れ合うことを目的として参加しており、さらに3つの価値の中で「Friendship」が自分にとって最も重要なことであると考えていると回答してくれました。
また、CEPマネジャーはユースオリンピックに参加することは選手はもちろん、若いスタッフにとっても異文化に触れる良い機会であると述べており、オリンピックバリューはそのすべてを持ち合わせていることに最も価値があると語ってくれました。
一方、選手村での選手へのインタビューでは、CEPに参加した事でオリンピアンとしてあるべき姿を考える良い機会になったと話してくれました。
YOGは選手のみならず、同世代のスタッフにとっても有意義な場であり、YOGにさまざまな形で参加する事でオリンピックバリューを学ぶ事ができると感じました。みなさんも、まずは自分の興味のあることからほかの国々を調べ、世界に目を向けてみてはいかがでしょうか。異文化を知る事でこれからの日本に必要なことが見えてくるのではないかと感じました。
<編集後記>
初めてのシンガポールはYOGの旗や幕が色とりどりに装飾され、賑やかな街並みにYOGが溶け込んでいるようでした。最初に話しかけてくれたスタッフはなんと14歳!うまく話せない私に「Where are you from?」と声をかけてくれて、緊張をほぐしてくれたことは忘れられません。小さな国の小さな(若い)スタッフに勇気づけられた海外経験となりました。
さて、お知らせです。研究所主管の「第3回国際スポーツ情報カンファレンス」を8月27-29日の3日間開催いたします。27、29日の2日間は仙台大学、中日の28日はエル・パーク仙台6F(仙台市青葉区)で行います。平尾誠二・神戸製鋼ラグビー部GM兼総監督はじめ、日本のトップスポーツを支える講師をお招きしております。無料です。お越しをお待ちしております。ご質問・ご意見などがありましたらisim2008@scn.ac.jpまでご一報ください。(木間)

2010年8月20日金曜日

i-SIM News 056/大会運営も「ユース」で=YOG現地レポート〈2〉

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。昨日に引き続き、第1回ユースオリンピック競技大会の特別号〈2〉をお届けいたします。派遣チームのチーフ・阿部篤志研究員、今日もよろしくお願いします。
◆大会運営も「ユース」で=YOG現地レポート〈2〉
競技会場の規模は、オリンピックよりもコンパクトで観客席も少ないのですが、大会運営はオリンピックと同様の方式で厳格に行なわれています。どの会場に行ってもまず気づくのは、制服を着たシンガポールの子どもたちが先生の引率で、自分たちのお兄さんやお姉さんのような選手たちの試合を間近に見ているということ。関係者の話によれば、この国のほとんどの小学生がYOGに足を運んでいるそうです。約474万人口の国ならではと思いました。
もう一つ特徴的なのは、大会の進行、記録、計時、審判、レポーター、カメラマンなど、大会運営そのものがとにかく若い役員やボランティアスタッフによって行なわれているという点です。選手のみならず、スタッフとしての経験を若いうちに積むということは、その人自身の成長を促すだけではなく、そこで培われたネットワークを育てていくことで、世界標準の情報と人脈を持ちながら、これからの日本のスポーツを考えていくことができるようになります。
そういった意味でも、スポーツでアジアのハブを目指すシンガポールに残る無形のレガシー(未来に引き継がれるもの)はとても大きく、また今後私たち日本がYOGをどのような機会として捉え、位置づけていくかが重要になると感じました。
<編集後記>
ユースオリンピック競技大会も終盤に差し掛かり、現地で躍動する世界の若人の姿が眼に浮かぶようです。現地の新聞では大きく報道されているようですが、日本では開会式はあっさりと報じられ、その後も目立たないまま。新聞社のスポーツ担当デスクと話してみましたが、「初めての大会で、各社ともどのくらいの規模で記者を派遣し、報道するか判断しにくかった」とのこと。夏の甲子園を筆頭に、各種全国大会などでスポーツ欄が"占拠"される時期であったことも否めません。でも、スポーツに関わる一人としては、残念な気がします。(荒木)

2010年8月19日木曜日

i-SIM News055/世界の仲間と競い合い、学び合う=YOG現地レポート〈1〉

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。今回は19,20日と連続して、シンガポールで14日に開幕した第1回ユースオリンピック競技大会の"特別号"です。派遣されたISIM研究員・スタッフの現地からのフレッシュな報告をお届けいたします。阿部篤志研究員、お願いします。

◆世界の仲間と競い合い、学び合う=YOG現地レポート〈1〉

仙台大学の阿部です。私はいま、第1回ユースオリンピック競技大会(YOG)が開催されているシンガポールに来ています。今日は皆さんに、現地レポートをお届けしたいと思います。
YOGは14歳から18歳の選手が出場できるオリンピック。世界205の国と地域から約3,600人の選手が参加しています。日本からは70名ほどの選手が、この記念すべき第1回大会で世界の仲間と交流しています。
ニュースをみた方もいると思いますが、女子トライアスロンの佐藤優香選手が大会第1号となる金メダルを獲得し、新たな歴史に名を刻みました。現地の新聞でも1面に大きく取り上げられていました。
YOGには、オリンピックと同様に表彰台を目指して真剣に競い合うことの他に、これまでの国際大会とは大きく異なる面があります。それが「文化・教育プログラム(CEP)」です。選手は試合に出ること以外に、滞在中に「CEP」に必ず参加することが定められています。
選手たちは、世界から集まった同年代の選手たちとともに、楽しく学べる50以上のCEP活動の中から自ら選択して参加。チャンピオンとは何か、ドーピングの問題など、選手生活に直接関わる問題から、地球環境やHIVのような世界的な問題など、社会のリーダーとして考えていかなければならない課題について、10人くらいの小さなグループになって学んでいます。その中でお互いの文化や経験を共有し認め合う時間を共有しています。
日本選手も、多少英語が分からないことに戸惑いながらも、積極的に参加していました。逆に言えば、英語で意思を伝えることができれば、もっと深いコミュニケーションが取れて、世界の友人が一気に増えていく有意義な場であると実感しました。

<編集後記>
大きなスポーツ大会などのイベントで使われる「若人の祭典」-。開催中の第1回ユースオリンピック競技大会にぴったりのフレーズです。個人的にも、競技と文化・教育プログラムが一体となっている仕組みに未来を感じます。YOG現地レポートは明日(20日)と23日にも発信する予定です。ご期待下さい。YOGへの疑問、質問、意見などがありましたらisim2008@scn.ac.jpまでご一報下さい。(荒木)

2010年8月9日月曜日

i-SIM News054/スポーツを通じた教育に重点を置いたユース世代のオリンピック「YOG」、いよいよ開幕!

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。9日発信の第2弾では、シンガポールを会場とする第1回ユースオリンピック競技大会に焦点を合わせてお送りします。間もなく開幕する大会には、ISIMから研究員ら3人を派遣し、世界規模の若人の祭典を詳しく視察・研究してきてもらいます。それでは派遣チームのチーフ・阿部篤志研究員、よろしくお願いいたします。

◆スポーツを通じた教育に重点を置いたユース世代のオリンピック「YOG」、いよいよ開幕!
仙台大学講師の阿部です。いよいよあと5日で、第1回ユースオリンピック競技大会(以下、YOG)がシンガポールで開幕します。
YOGは14歳〜18歳を対象としたユース世代のオリンピック。205の国と地域から約3,500人が参加します。日本からは16競技71人の代表選手(7月30日現在)が世界の仲間と競い合い、交流します。YOGがユニークなのは、大会に参加する選手たちは全員、競技会のみならず、文化・教育プログラム(以下、CEP)にも参加することが定められているところです。
各国・地域から参加する選手たちは、 CEPを通じて、 スポーツの価値やアンチ・ドーピング、環境問題などの世界が抱える課題をともに考えます。島全体を使った「アイランドアクティビティ」では、協力し合って何かを成し遂げる大切さを学ぶとともに、「スポーツを通して体と心を鍛えた、世界のいろいろな国の人と交流し、平和な社会を築いていこう」というオリンピックの理念である「オリンピズム」を体験的に学ぶそうです。
YOGのキーワードは「卓越(Excellence)」「友情(Friendship)」「尊重(Respect)」という3つのオリンピックの価値。ぜひJOCやIOC、大会組織委員会のホームページやブログ、ツイッターなどをのぞいて、YOGの雰囲気を感じてください。大会に参加する選手や指導者だけではなく、日本にいる私たちも、この大会がなぜいま、開催されるのか、この大会は私たちに何をもたらすのかを考えてみましょう。これからの私たちのスポーツ活動を考える上でも、たくさんのヒントがそこにはあると思います。YOGは、2010年8月14日(土)〜26日(木)の13日間で開催されます。

★関連サイト
IOC(国際オリンピック委員会)
http://www.olympic.org/
JOC(日本オリンピック委員会)
http://www.joc.or.jp/
SYOGOC(大会組織委員会)
http://www.singapore2010.sg/public/sg2010/en.html
- facebook
http://www.facebook.com/youtholympicgames
- twitter
http://twitter.com/singapore2010

<編集後記>
今後、随時も含めて2ないし3回にわたり「シンガポール便り」を発信する予定でおります。ご期待下さい。YOGへの疑問、質問、意見などがありましたらisim2008@scn.ac.jpまでご一報下さい。できるだけ速やかに対応いたします。(荒木)

i-SIM News053/来た、見た、決めた=オープンキャンパス夏の陣

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。今日は連日のじりじり照り付ける太陽がひと休み。ちょっぴりですが過ごしやすい天候となりました。オープンキャンパスが実施された7日は保護者も含めて990人が仙台大学を来訪。当日は熱中症が心配されるほどの熱さでしたがトラブルもなく、志望したい学科を見極めようする生徒がハンカチ片手に精力的に動き回るなど、大いに盛り上がっていました。熱気の程をスポーツ情報マスメディア(SIM)学科の"星"、大町祐太君に報告してもらいます。

◆来た、見た、決めた=オープンキャンパス夏の陣
みなさんこんにちは。SIM学科4年の大町です。土曜日は炎天下の中、オープンキャンパスにご来場いただき大変ありがとうございました。
今年のSIM学科は、少しでも多くの生徒さんに関心を持ってもらおう−と学科・研究所が一体となってニュース製作、取材・映像編集体験など、遊び心に満ちた企画を連打しました。高校生の皆さんからは「すごく面白いと思った」「スポーツを色々な形で見ることが出来ると分かった」などの声が聞かれ、SIM学科で学んでみたいという方もいて、疲れも吹っ飛ぶ思いでした。
私にとって、今回は学生として最後のオープンキャンパスでしたが、皆さんとたくさん話が出来て、心から楽しめました!
SIM学科は人との繋がりを大切にする学科です。スポーツを通して人ともっと繋がりを持ってみたいと感じた高校生の皆さん、ぜひSIM学科にチャレンジし、来春は仙台大学のキャンパスで躍動してみませんか。心からお待ちしています。

<編集後記>
お知らせです。来週16日はお盆で1回配信を休みます。その代わりというわけではありませんが、間近に迫ったユースオリンピックの紹介を本日の"第2弾"としてお送りします。また、研究所主管の「第3回国際スポーツ情報カンファレンス」を8月27−29日の3日間開催いたします。27、29の2日間は仙台大学、中日の28日はエル・パーク仙台6F(仙台市青葉区)で行います。平尾誠二神戸製鋼ラグビー部GM兼総監督はじめ、日本のトップスポーツを支える講師をお招きしております。無料です。お越しをお待ちしております。isim2008@scn.ac.jp(荒木)

2010年8月2日月曜日

i-SIM News052/スポーツへの“思い”を交換=スポーツを考える会

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。宮城県もご多分に漏れず、記録的な猛暑が続いています。おじさんたちが皆さんたちの年代の頃、夏のスポーツは乾きとの戦いでした。当時は「練習中は水を飲むな」が鉄則。辛いものでした。現在は様変わりです。暑い日のスポーツは炎天下かどうかに関わらず、十分な水分補給が常識です。スポーツマンとして自己管理はかかせません。お互い気をつけましょう。さて、今回はスポーツをこよなく愛する方々の"ホットな語らい"を紹介してもらいます。研究所で業務を手助けしてくれている大町君、お願いします。
◆スポーツへの"思い"を交換=スポーツを考える会
スポーツ情報マスメディア(SIM)学科4年の大町祐太です。スポーツを考える会は、マスメディア関係者はじめ地域スポーツクラブ関係者、行政のスポーツ担当者、一般市民などスポーツに関心のある様々な職業の方々と一緒に、スポーツについてざっくばらんに語り合う会です。
7月29日(木)午後1時半から今年初めての会(通算4回目)が仙台市青葉区川平の研究所分室で開かれ、約20人の方の参加がありました。
まず、ISIMの勝田所長が今月14日からシンガポールで開催されるユースオリンピックについて情報を提供。
参加者は初のユースオリンピックは競技で覇を競うだけでなく、それぞれの国の文化や芸術の紹介、スポーツを行う際に欠かせないモラル、相手を思いやる心などを盛り込む試みに興味を持って耳を傾けていました。
続いてスペシャルオリンピックス(知的障がい者の自立支援を行うボランティア組織)宮城の佐藤田鶴子氏が、障がい者スポーツの中で実施されている競技レベルに応じてスポーツが楽しめるシステムや、大会出場者全員が表彰される工夫について解説。参加者が積極的に意見を出し合い、障がい者スポーツに対する知識を深めていきました。
参加者はそれぞれの立ち位置を踏まえた上で、スポーツへの"思い"を交換し合い、これからのスポーツについて真剣に考えていました。
<編集後記>
スポーツ好きの異業種の方々が一堂に集まり、それぞれの立場から意見を交換し合う。その中で自分の考えを再認識したり、新しい切り口に感心したり−。こうした場を提供することも、ISIMの大切な役割だと考えています。今年中にもう一回開催する予定でいます。「未成年者お断り」ではありません。門戸はいつも開放です。(荒木)