2012年11月30日金曜日

【学科生's View】オリンピック競技にゴルフ復活

 こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア学科3年スポーツ情報戦略コースの松本洋季です。私は大学でスポーツの様々な現状を学んでいます。卒業論文ではゴルフのスコアやデータから見えてくる、ゴルフ競技の様相と普及の問題点について書こうと考えています。2016年に開催されるリオデジャネイロオリンピックの競技種目にゴルフが復活し、ゴルフが今よりも更に盛り上がると思います。

 私がゴルフというスポーツの存在を知ったのは幼稚園の頃でした。たまたま父とゴルフツアーを初めてテレビで見てプロ選手の素晴らしいプレーに感動したことと、練習場で初めてボールを打ったときの楽しさがきっかけとなりゴルフを始めました。現在は指導者がいないため個人的に練習しています。私のようなきっかけで指導者が居ないままゴルフを始めた人も多いと思います。趣味として楽しむには問題ないですが、競技として行うには十分ではないと思います。ゴルフを始めた年齢、競技歴とスコアの関係、育成システムとランキングの関係など調べたいテーマが数多くあります。

 リオデジャネイロのオリンピックではゴルフが112年ぶりに正式種目になることが決まりました。
正式種目採用をきっかけに指導者やゴルフ人口が増え、趣味としてだけでなく、競技としてもゴルフが広まっていくと良いと考えています。
 国際ゴルフ連盟はリオデジャネイロオリンピックでは、4日間72ホールのストロークプレー形式での試合を予定し、60人の出場選手の選考は世界ランクに基づいて上位15人が優先的に出場、残る45人をランク上位から各国2人ずつ選ぶことにしています。仮に今のランクで日本代表を選ぶなら、トップ15の選手はおらず、各国2人の枠で石川遼選手(世界ランク70位)と藤田寛之選手(同80位)になります。
 若手とベテラン、勢いと経験がミックスされると良い結果が期待されますが、更に科学的に競技力向上や競技スポーツとしての分析も必要だと思います。情報を通しスポーツを学ぶ学生として、オリンピックに復活したゴルフをテーマに卒論をまとめる上で、どんな発見があるのか楽しみです。

2012年11月5日月曜日

速報レビュー!「第5回国際スポーツ情報カンファレンス」

 仙台大学は11月4日(日)、せんだいメディアテークにて第5回国際スポーツ情報カンファレンス 「London2012を通してこれからのスポーツを考える~スポーツの推進を通じた社会の発展と情報・制度・人~」を開催しました。日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長をはじめ、和久貴洋氏、白井克佳氏、山下修平氏(以上、JSC)、松井陽子氏(JOC)、土生善弘氏(宮城県教育庁)の6名を講師としてお招きし、スポーツのこれからを考えました。(ISIM 矢部恭平 アシスタント・スタッフ)

【基調講演】
London2012を通してこれからのスポーツを考える
河野 一郎 氏
日本スポーツ振興センター(JSC) 理事長

これからのスポーツを考えていく上で三つの視点が必要である。
 第一の視点「時間軸をどう見るのか」
 スポーツの歴史を考えていく中で、物事を100年のスパンで考えていく必要がある。大正、昭和、平成と移り変わっていく中で、スポーツ界だけではなく、日本で起きた事象と世界で起きた事象を背景として、これからのスポーツを考えていくことが重要である。
 第二の視点「スポーツの力をどのように捉えるか」
 スポーツには、その対象や状況に応じて、内容を変えることができる柔軟性がある。我々は今後スポーツのコアバリューを再考し、スポーツを通してグローバル社会の将来図を構想する必要がある。
 第三の視点「どの視点・どの立場で考えるか」
 個人として、組織として、地域としての視点・立場からだけではなく、国としてスポーツを考えることが重要であり、それが国家の品格を高めることにも繋がる。
 国民一人一人が日本という国をどうしていきたいか、主体的に思考し、スポーツ関係者である我々は、国家としての姿勢を明確に示していくことが今求められている。
 「未来に向けて、スポーツの力を示していきましょう」




【特別講演】
「改革のドライビングフォース ~大学政策とスポーツ政策の接点~」
和久 貴洋 氏
日本スポーツ振興センター(JSC) 情報・国際部 情報・国際課 課長
 大学もトップスポーツも社会変化の動きが速く、それに伴い改革が求められる。両者に共通する課題は、人口の減少である。人口動態がトップスポーツにどのような影響をもたらすかというと、メダルを獲得できるポテンシャルアスリートが減少することである。また、スポーツをする人・しない人の二極化、女子のスポーツ離脱などにも影響がある。世界は、それらの課題の解決に積極的に取り組んでいる。これらを踏まえて、我々はアクションを起こす必要がある。
 一方で大学では、少子化に伴い人材の輩出が困難であり、大学の存在意義がなくなっている。そのため、大学は人材確保のため、魅力ある教育コンテンツの提供や就職後のパスウェイなどの高品質な強みを持つことが重要である。
 この状況下で、JSCが行っている取り組みとして3つの事業が挙げられる。

1、タレント発掘・育成事業
JSC・JOCと連携し、オリンピック選手を発掘・育成するプログラム
2、国際連携
日本と諸外国が自国のスポーツの発展のために、相互利益の関係のもと、ネットワークを結ぶこと
3、情報戦略
意思決定者が的確な判断をするために、必要な情報を必要なタイミングで提供すること

大学政策とスポーツ政策に共通して言えることは、情報発信者が高品質な強みを提供することである。人の集まる魅力あるコンテンツとネットワークを構築するために、我々は自己分析をする必要がある。




【シンポジウム】
「London2012を通してこれからのスポーツを考える」

諸外国の動向からみるスポーツ界の変化
山下 修平 氏
 日本スポーツ振興センター(JSC) 情報・国際部 情報・研究課 専門職
北京オリンピック以降の国際競技力向上のフレームワークは、「統一的な拘束性のある戦略」、「戦略に基づく強化費の重点投資」、「競技力向上施策」、「強化拠点の整備」であった。ロンドンオリンピックを終えた今、このフレームワークの質と持続可能性を高めることが国際競技力向上の重要な視点となってきている。その実現に向けて、スポーツ団体の組織能力を高めることと、国際的なネットワークの構築力が鍵となる。

判断根拠(エビデンス)となるスポーツ情報集積の重要性
白井 克佳 氏
日本スポーツ振興センター(JSC) 情報・国際部 情報・研究課 主任専門職
 2012ロンドンオリンピックにおける日本のメダル獲得成功率は上位10カ国の中で2番目に高い数値であった。成功率が上がった要因として、実力のある選手が確実にメダルを獲得できる準備ができたと言える。
 オリンピック等の国際競技大会の結果が、スポーツ施策の成果を表出する。情報戦略分析することで、より確実に実力把握することができる。

アスリートパスウェイの構築と地域タレント発掘・育成の可能性
松井 陽子 氏
日本オリンピック委員会(JOC) 味の素ナショナルトレーニングセンター
拠点ネットワーク・情報戦略事業 アシスタントディレクター
 タレント発掘・育成事業は、「才能」を持っている子どもたちを見つけ、育て、世界を目指す道をつくる取り組みである。
 地域と中央競技団体の繋がりを強め、世界を目指し、子供たちを導いていかなければならない、日本のスポーツが抱える大きな問題を、ネットワークとパスウェイの構築によって改善していくチャレンジが必要である。

県スポーツ推進計画に描かれる新たな方向性
土生 善弘 氏
宮城県教育庁スポーツ健康課主幹スポーツ振興班 班長
 宮城県における国体成績は、現在下降線をたどっている。現在、スポーツ・運動のするしないの二極化が進み、特に女子は顕著である。
 これからの10年間、宮城県はどのようにアプローチしていくのか。まずは現状を受け止め、自己肯定感を持ち、夢を抱くことが大切ではないか。
 復興の担い手となる次代への仕掛けとして、「スポーツによるひと・まちづくり」、「女子におけるスポーツの参画の促進」、「新たなる挑戦」がある。今後も大学と連携するなど、スポーツを行う環境の充実も大切。


シンポジウム・コーディネーター
阿部 篤志 氏
仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所 研究員
 キーワードは「グローバル」、「スポーツの推進を通じた社会の発展」、「情報・制度・人」それぞれの立場から、どのような見方をすれば良いか考えていかなければならない。