2010年6月28日月曜日

i-SIM News:048/ISIMと地域の連携=学生が思いを語る

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の宮本です。前回のi-SIM Newsでは、北の大地で地域とISIMの"架け橋"となる活動を行っている研究スタッフ(前田研吾)を紹介いたしました。今回は、ISIMが地域と連携して行う「スポーツ教育プログラム」において、ISIMスタッフとともに活動した学生に思いを語ってもらいます。5月に、山形県スポーツタレント発掘事業の一環として行われた「YAMAGATAドリームキッズ ショートキャンプ」にスポーツ情報マスメディア(SIM)学科の学生が帯同しました。その3名からコメントをいただきました。学生の皆さんお願いします。(学生からのコメントは原文のままです。)
◇ISIMと地域の連携=学生が思いを語る
"子どもたちのモデルに"
YAMAGATAドリームキッズに参加して、私たちはいつでも小学生の前でお手本でなければいけないと感じました。将来山形県をリードしていく子どもたちの前で、私たちは彼らのモデルであり、良きお兄さんお姉さんでなければなりません。スポーツ界の未来を担うキッズたちの育成と共に、私たちも日々成長していく必要があります。(SIM学科4年:大町祐太)

"人と人との関わり"
スポーツタレント発掘事業に携わることができるということは、子どもたちがこれから迎える未来に一緒に歩んでいくことができるということです。私はこの事業に参加し、人と人との関わりの大切さを再確認できました。スポーツマンとして、スポーツに関わる者として、いろいろなスキルなども必要ですが、まずは人間力を高めることが何よりも大切だと感じました。(SIM学科3年:佐藤康平)

"子どもたちの夢、日本の夢"
子どもたちの夢、日本の夢をともにかなえるスポーツタレント発掘事業。そんなイメージで私はYAMAGATAドリームキッズなど様々な活動に参加しました。しかし、現実は難しいと感じることが多々ありました。まだ始まったばかりのこの事業では、いろいろな県で試行錯誤のプログラムを考えていました。だからこそ私は日本で確立したプログラムをつくるべきだと感じました。そして、これからもタレント発掘事業に関わって勉強していきたいと思います。(SIM学科3年:栗田成)
<編集後記>
いかがでしたか。今回は地域における学生の活動をお伝えしました。ISIMの活動は人と人との関わりなくして存在しません。地域の関係者、学内の教職員、保護者の皆様、そして学生の支援があり、様々な活動を展開することが出来ます。今回のi-SIM Newsでは私自身も"人と人との関わり"を再認識しました。今後ともご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。(宮本)

2010年6月21日月曜日

i-SIM News:047/スポーツを通した“まちづくり”

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)の荒木です。ISIMは大学の第3体育館2Fにある研究所を中心に、研究・情報発信・スポーツ教育プログラム展開・人材育成−など多岐に渡る活動を展開しています。こうした息吹を地域に伝え、地域とISIMを繋ぐ"架け橋"となるよう、スタッフ1人(仙台大学大学院2年)を北海道に出向させています。1年間の任期中どれだけ地域に溶け込み、研究成果を積み上げていけるか。前田君、力の見せ所です。連携という大輪の花を咲かせてください。期待しています。

◇スポーツを通した"まちづくり"
皆さん、こんにちは。ISIM研究スタッフの前田研吾です。私は、4月から仙台大学と協力協定を結んでいる北海道美深(びふか)町で、町の皆さんや関係する多くの方々とともにスポーツを通した"まちづくり"に取り組んでいます。具体的には、総合型地域スポーツクラブ「びふかスポーツクラブ」のサブマネジャーとして、また美深町体育指導委員として町の皆さんがスポーツに触れ、有意義に取り組める場づくりを行っています。その他、スキーフリースタイル競技"エアリアル"において世界で活躍することを目指し、日々トレーニングに励んでいる"BIFUKA AIR FORCE"の子ども達とともに、冬期間の競技大会や雪上トレーニングへ向けたカラダ(身体面・精神面)づくりを中心としたオフシーズン・トレーニングを行っています。
美深町に住み始めて早3カ月が経とうとしていますが、大学時代に恩師から教わった"人(との関わり)がヒトを育てる"という言葉を、人と直接顔を合わせてスポーツと関わる"いま"体験的に学ぶという貴重な経験をさせていただいています。これから、本格的な梅雨の季節(北海道では、他地域ほど梅雨という季節は感じられません)に入り、暑い夏がやってきます!そこで生活する我々も更に"あつい"姿勢で、スポーツと関わっていきたいと思っております!
<編集後記>
前田君、元気でやってるようだね。君を送り出す時、自分の息子との別れのような気がして一抹の寂しさを感じました。けれど、時々送られてくる近況報告や電話越しの明るい声を聞いて元気をもらっています。考えてみると、君は道産子。北の大地に戻っての活躍は「水を得たような魚」のように当然のことかもしれないね。しっかり食べて健康に留意し、充実した日々を送れるよう願っています。(荒木)

2010年6月14日月曜日

i-SIM News:046/組織的な情報活動の役割と機能=「TEAM宮城」プロジェクト

仙台大学講師の阿部です。梅雨の季節となりましたね。雨はスポーツの価値を高めてくれている、と言ったら不思議に思いますか? スポーツには「その状況に自分がどう向き合えるかを試される場」であることに大きな価値があります。雨はいつも私たちに想定外のシナリオを提供してくれます。「ああ、また今日も雨か」とグラウンドで練習ができず、悶々としたことをよく覚えています。「仕方がない」と諦めることなく、その時に自分が何を考え、いかに工夫したり行動するかが、私たちの気づきや学びを促します。雨が降ったら「試されているんだな」と自分と向き合い、知恵を出し合い、その状況に挑戦する。雨を皆さんの味方につけてほしいと思います。
さて今日は、宮城県高校総体を活動の場として展開している授業「TEAM宮城」プロジェクトにおいて、組織的な情報活動を進める上での「役割と機能」についてご紹介します。ナビゲーターは、TEAM宮城プロジェクトリーダーを務めている高橋悠さんです。
◆組織的な情報活動の役割と機能
こんにちは。スポーツ情報マスメディア(SIM)学科3年の高橋悠です。今回は「TEAM宮城」の中での「組織的な情報活動」にはどのような機能や役割があるのかということについてご紹介したいと思います。
私たちは現在以下の4つのチームに分かれて活動しています。
(1)情報支援活動本部
ここでは各情報活動の統括や連携先とのコミュニケーションを図るという役割を担っています。その他にも各チームがそれぞれの仕事をしやすいような環境作りや状況によっては作業の振り分け等も行います。
(2)インテリジェンス・チーム
インテリジェンス(Intelligence)とは情報・知識という意味です。ここではスポーツ活性化に向けて新たな工夫につながる情報の収集と共有を図るため、公刊資料(オープンソース)や高校総体会場での取材からの情報収集を行っています。
(3)アナリシス・チーム
アナリシス(Analysis)とは分析という意味です。ここではデータに基づく分析により、高校総体の現状や全体像を把握するため、オープンソースや過去の大会関連資料による分析活動を行っています。
(4)プロモーション・チーム
プロモーション(Promotion)とは普及促進という意味です。宮城県高体連や高校総体が目指すスポーツや部活動のあり方や具体的な取り組みについて、その普及や促進を図るため、競技会場へ行き実際の試合の撮影や選手への取材から、プロモーションビデオを作成しています。(部活動2010)
各チームでリーダーを決定し、そのリーダーを中心としてこれらの役割や目的に沿った情報支援活動を行っています。全体でまとまっての作業というものがほんどなく、チームごとの活動が多くなります。しかし、定期的にリーダーミーティングを行い各チームの作業の進捗報告や今後の活動について話し合っています。またFDルーム(仙台大学第3体育館2階)の一角を情報共有スペースとして使用しています。ここにはチームミーティングの議事録や活動計画等様々な情報が貼り出されているので、他のチームが現在どのような活動を行っているのかがわかるようになっています。
このように役割分担をし、活動を行うことで様々な視点から情報を収集することができます。更にはそれらの情報をいろいろな形で共有・発信することもできます。
大きな組織になればなるほど1つにまとまるのは大変ですが、最終目標(今回の場合には「宮城県高校総体におけるスポーツ活性化」)を全員が念頭に置き、それに向かって自分たちの役目を着実に果たしていくことで、組織としての機能が十分に発揮されていくのだと思います。
<編集後記>
いかがでしたか。組織的活動では、メンバー全員が共通に目指すもの(ビジョン)を持てるかどうかがとても大切です。個人とチームのパフォーマンスは常に互いに影響し合います。個人競技であっても、部としてのチーム化が重要だと言われる理由は、そこにあるかも知れません。ご意見・ご質問は isim2008@scn.ac.jp まで。(阿部篤志)

2010年6月7日月曜日

i-SIM News:045/「TEAM宮城」キックオフ!=組織的な情報戦略活動を学ぶ

仙台大学講師の阿部です。先週末はあいにくの雨の中、多くの競技種目で県高校総体が開催されました。私は土曜日、本学学生とともに大和町の宮城県自転車競技場へ。人生で初めて、すりばち状になっているバンクの内側から競技を観ました。アスファルトの上を高速で走り抜ける自転車の「ゴーッ」というタイヤ音と、響き渡るコーチたちのラップタイムを伝える声が印象的でした。今日は、高校総体の現場で行われている私たちの演習授業についてご紹介します。
◆組織として情報戦略を学ぶ 「TEAM宮城」キックオフ!
こんにちは、スポーツ情報マスメディア(SIM)学科4年の大町祐太です。SIM学科では3年生の「スポーツ情報戦略論演習�」という授業の中で「TEAM宮城」という情報支援プロジェクトを立ち上げ、実践的な授業を実施しています。「TEAM宮城」とは、オリンピックにおける日本代表選手団に対する情報後方支援活動(東京Jプロジェクト)をモデルとして、宮城県高校総体という総合競技大会の現場において「組織的」に情報(インフォメーションやインテリジェンス)を扱うことを様々な視点から学びます。このプロジェクトの一番の目的は、スポーツに関わる選手・指導者・関係者が、スポーツの価値(Value)やこれからのスポーツのあるべき姿について、新たな情報や観点から考える一つのきっかけを作ることにあります。
例えば「他校の取り組みを参考として、ある高校の部活動の現場で新たな取り組みが生まれる」「部活動への理解が促進されて加入する生徒が増える」など、ぽつりぽつりと未来に向けた新たな試みや動きが生まれていくことで、宮城県の高校スポーツがもっと豊かで魅力的なものになっていく、そういったきっかけとなる「種」を植えることが、今回のプロジェクトの使命(Mission)と言えます。
私たちは昨年度、今回の活動の前身となる「Team RIFU 2009プロジェクト」を実施しました。宮城県の利府高等学校の高校総体での各部活動の戦いを、情報面で戦略的に後方支援するという形の演習でした。このプロジェクトでは、競技の枠を超えて「一つのチーム」として戦う気持ちを持てるように、各会場に散らばった情報戦略スタッフが収集した情報を1枚のニュースレターに集約し、それを再び各会場で配布しました。また試合の映像や他の部の学生へ向けたコメントを撮影し、モチベーションビデオの制作にもチャレンジしました。
本年度も高校総体の会場でビデオカメラを片手に情報活動をしている若い情報戦略スタッフを見かけたかも知れません。現場から大学に戻った彼らは今日も、6月末にかけて、収集した情報を加工・分析して今後の高校総体や部活動を考える上で参考となるレポートを作成したり、プロモーションビデオを作成しています。
◆学科一日体験会、7月10日(土)開催が決定!
来る7月10日(土)、仙台大学にて「学科一日体験会(体育学科・スポーツ情報マスメディア学科共催)」が開催されます。大学の授業を体験したり、進学について大学の先生や職員に直接相談をする良い機会ですので、ぜひお気軽にお越し下さい。参加お申し込み等の詳細は後日、本学本学ホームページ http://www.sendaidaigaku.jp/ で案内されますのでチェックしてください。また来週以降のi-SIM Newsでもお知らせする予定です。
<編集後記>
来週は「TEAM宮城」情報支援プロジェクトの続編です。組織的な情報活動にはどのような機能や役割があるのか具体的にご紹介します。普段のスポーツ活動に役立つ情報が満載です。乞うご期待。(阿部篤志)