2010年6月14日月曜日

i-SIM News:046/組織的な情報活動の役割と機能=「TEAM宮城」プロジェクト

仙台大学講師の阿部です。梅雨の季節となりましたね。雨はスポーツの価値を高めてくれている、と言ったら不思議に思いますか? スポーツには「その状況に自分がどう向き合えるかを試される場」であることに大きな価値があります。雨はいつも私たちに想定外のシナリオを提供してくれます。「ああ、また今日も雨か」とグラウンドで練習ができず、悶々としたことをよく覚えています。「仕方がない」と諦めることなく、その時に自分が何を考え、いかに工夫したり行動するかが、私たちの気づきや学びを促します。雨が降ったら「試されているんだな」と自分と向き合い、知恵を出し合い、その状況に挑戦する。雨を皆さんの味方につけてほしいと思います。
さて今日は、宮城県高校総体を活動の場として展開している授業「TEAM宮城」プロジェクトにおいて、組織的な情報活動を進める上での「役割と機能」についてご紹介します。ナビゲーターは、TEAM宮城プロジェクトリーダーを務めている高橋悠さんです。
◆組織的な情報活動の役割と機能
こんにちは。スポーツ情報マスメディア(SIM)学科3年の高橋悠です。今回は「TEAM宮城」の中での「組織的な情報活動」にはどのような機能や役割があるのかということについてご紹介したいと思います。
私たちは現在以下の4つのチームに分かれて活動しています。
(1)情報支援活動本部
ここでは各情報活動の統括や連携先とのコミュニケーションを図るという役割を担っています。その他にも各チームがそれぞれの仕事をしやすいような環境作りや状況によっては作業の振り分け等も行います。
(2)インテリジェンス・チーム
インテリジェンス(Intelligence)とは情報・知識という意味です。ここではスポーツ活性化に向けて新たな工夫につながる情報の収集と共有を図るため、公刊資料(オープンソース)や高校総体会場での取材からの情報収集を行っています。
(3)アナリシス・チーム
アナリシス(Analysis)とは分析という意味です。ここではデータに基づく分析により、高校総体の現状や全体像を把握するため、オープンソースや過去の大会関連資料による分析活動を行っています。
(4)プロモーション・チーム
プロモーション(Promotion)とは普及促進という意味です。宮城県高体連や高校総体が目指すスポーツや部活動のあり方や具体的な取り組みについて、その普及や促進を図るため、競技会場へ行き実際の試合の撮影や選手への取材から、プロモーションビデオを作成しています。(部活動2010)
各チームでリーダーを決定し、そのリーダーを中心としてこれらの役割や目的に沿った情報支援活動を行っています。全体でまとまっての作業というものがほんどなく、チームごとの活動が多くなります。しかし、定期的にリーダーミーティングを行い各チームの作業の進捗報告や今後の活動について話し合っています。またFDルーム(仙台大学第3体育館2階)の一角を情報共有スペースとして使用しています。ここにはチームミーティングの議事録や活動計画等様々な情報が貼り出されているので、他のチームが現在どのような活動を行っているのかがわかるようになっています。
このように役割分担をし、活動を行うことで様々な視点から情報を収集することができます。更にはそれらの情報をいろいろな形で共有・発信することもできます。
大きな組織になればなるほど1つにまとまるのは大変ですが、最終目標(今回の場合には「宮城県高校総体におけるスポーツ活性化」)を全員が念頭に置き、それに向かって自分たちの役目を着実に果たしていくことで、組織としての機能が十分に発揮されていくのだと思います。
<編集後記>
いかがでしたか。組織的活動では、メンバー全員が共通に目指すもの(ビジョン)を持てるかどうかがとても大切です。個人とチームのパフォーマンスは常に互いに影響し合います。個人競技であっても、部としてのチーム化が重要だと言われる理由は、そこにあるかも知れません。ご意見・ご質問は isim2008@scn.ac.jp まで。(阿部篤志)