2010年12月13日月曜日

i-SIM News071/「教えて!先生」〈7〉勝田隆先生/素朴な疑問 学びの原点

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所の稲福です。今週も引き続き新企画「教えて!先生」をお送りします。7回目となる今日は、仙台大学教授、そしてスポーツ情報マスメディア研究所長でもあります勝田隆(かつた・たかし)先生に登場いただきます。先生は先月、中国の広州で開催された第16回アジア競技大会に本部役員として参加されました。
◆素朴な疑問 学びの原点
広州アジア大会で、日本選手団をサポートしてくれたボランティアスタッフのAさんは、地元の大学に通う4年生。「日本文化」をテーマにした卒業論文を書きたいという。今年の夏、日本を訪れた際に、ゴミ箱が少ないことと、それにもかかわらず街がきれいだという強い印象がそのきっかけだそうだ。「日本人は何故、真面目なのでしょうか? なぜ、マナーが良いのでしょうか?」と矢継ぎ早に質問されて答えに窮すると同時にいささかの面映さを感じる日本人は私だけではあるまい。苦笑しながら矛先を変えようと、こちら側から「せっかくアジア大会に参加したのだから、スポーツ文化についても調べてみたら?」と投げかけたところ、興味深い質問が返ってきた。「"スポーツ"ってなんですか? "文化"って何なのでしょうか?」。アジア大会において、囲碁や将棋、チェスが種目に入っていることを知り、これまでの自らのスポーツ観に齟齬(そご)が生じたようだ。素朴な疑問を自らに向けて発することは、学びの原点であると思っている。メダル争いにのめりこむ日々の中で、私の足元を強く照らすかのような彼女の質問は尊い。
〈編集後記〉
皆さんにとって"スポーツ"、そして"文化"とは何でしょうか。スポーツの本質や疑問に思ったことを友だちと考えてみることも良いことだと思います。皆さんが仙台大学に入学した際には、ぜひ一緒にスポーツや文化、素朴な疑問について語り合いましょう!寒さが本格的になってきました。体調管理には十分、注意してください。(稲福)