2012年6月20日水曜日

i-SIM News 105/バレーボール世界最終予選(情報戦略)

バレーボールの世界最終予選が、女子が5月27日、男子が6月10日に終了した。日本チームは、女子は最終戦までもつれ込み、ロンドンオリンピックの出場権を獲得したが、男子は残念ながら、2大会連続のオリンピック出場は叶わなかった。これからは夏のロンドンオリンピックに向け、女子のメダル獲得のため、現場のアナリストを中心に、それを支える情報戦略班(日本バレーボール協会内組織)の一員として、全力でバックアップしていくこととなる。(ISIM 石丸出穂研究員)
 
 筆者はアテネオリンピックでは女子、北京オリンピックでは男子の情報戦略スタッフ(アナリスト)として、日本代表チームに帯同した経験を持つ。4年前は私も男子の植田監督とともに、世界最終予選を戦っていた。男子と女子とでアナリストとしてオリンピックで経験したことは、非常に運が良かったと考えている。プレーヤーとして代表経験のない私が、スタッフとしてでも2大会もオリンピックを経験することが出来たのは、アナリストの重要性をいち早く感じ、取り組ませていただいた、私を指導してくださった先生方や、バレーボール界の環境に感謝せざるを得ない。

 バレーボールの情報戦略を行うスタッフが、「アナリスト」と呼ばれて活動していることは、女子ナショナルチームの眞鍋監督が活用する、iPadのTVでの露出も手伝って、多くの人々に認知されつつあるように感じる。大変喜ばしいことである。現在女子のチーフアナリストを務める渡辺氏は、かつてTVのバレーボールの試合で、ベンチに置いてあるパソコンを見て、「あれは何に使われているのだろう?」と疑問を持ったことから、アナリストへの道が始まったと話していた。女子バレーボールの現在の躍進は、監督をはじめ選手の努力あってのことだが、渡辺氏が務めるアナリストの存在なくしては、ここまでのレベルアップはあり得なかったであろう。今回のバレーボールの試合を見て、バレーボールっておもしろいなと感じてもらい、バレーボールそのものを楽しんでもらうことも重要であるが、iPadを使って戦っている、選手を支えるスタッフ、アナリストを見て、バレーボールのアナリストを目指したい!!という次世代のプロフェッショナルな情報戦略スタッフが生まれることを期待したい。