2012年5月9日水曜日

i-SIM News 102/2012はオリンピックイヤー

仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所長の山内です。今年度もISIMニュースをよろしくお願いいたします。今年はオリンピックイヤー、ロンドンオリンピックまで80日を切りました。日本代表選手も続々と名乗りを上げています。スポーツを学ぶ大学として、情報を扱う研究所としてロンドンオリンピックは格好のテーマで、少しでも教育や研究に生かせればと思っています。(山内亨スポーツ情報マスメディア学科長・研究所長)

去年の今頃は一ヵ月遅れでようやく授業が始まったばかりで、震災・津波被害からの復旧に毎日心を痛めていたことを思い出します。スポーツどころではないという声を被災地から聞いていたのもこの頃のことです。
今年は4月から学生の元気な声が校内、グラウンドに響き体育大学の良さを実感しています。被災地でも少しは身体を動かさなければといった声も聞かれます。
そこに4年に一度のスポーツの祭典・夏季オリンピック。開会式まで3ヵ月を切り、開催地ロンドン情報をはじめオリンピックにまつわる記事や映像が日に日にメディアを賑わせ始めました。オリンピックイヤーに様々伝えられる情報からは、スポーツが人類の文明の中でどんな位置にあるか、まとめて確認できるチャンスでもあります。既存の新聞・テレビなどのメディア情報だけでなく、IOCのホームページはじめ競技団体のHPが伝えるresult、ネット上のサイド情報にも興味をひくものが沢山あり、目を凝らして見つめたいところです。
最近ではタレントの猫ひろしさんがカンボジアのマラソン代表としてオリンピック出場を決めたように伝えられましたが、最終的には国際陸連の判断で出場できなくなったことが報じられました。このほか気になった情報をいくつか挙げてみましょう。

  一つ目は国際自動車連盟(FIA)が2年間の暫定期間ながらIOC加盟を認められたことです。オリンピック憲章では動力化の要素を含むスポーツの出場を禁止しているのになぜ?との疑問。どんな流れなのでしょう。
二つ目は、2年前の総会でスリランカ代表が開会式や閉会式での花火使用が環境に悪影響があるのではと懸念したことに対し、IOCのロゲ会長が、各国オリンピック委員会連合とIOC理事会の合同会議で、五輪開会式での花火の使用について「大きな祝い事と二酸化炭素排出量のバランスを取ることが必要だが、適切な解決策が見つけられるだろう」と環境に配慮しつつ今後も容認したとのニュースです。
三つ目はイスラム諸国で女性のスポーツ参加が困難との問題に関連し、ユースオリンピック馬術競技で銅メダルを獲得したサウジアラビアの18歳の女性の参加の可能性を論じたものです。オリンピックで女性選手を派遣したことのない国はサウジアラビア、カタール、ブルネイの3カ国だそうです。
オリンピックが提供する様々な話題は我々人類が抱える問題そのものである気がします。日本選手の活躍だけに目を奪われることなく、その他のオリンピック関連の情報に目配りするとオリンピックの面白さは倍増すると思います。