2010年1月12日火曜日

i-SIM News:025/ISIMの今年度を振り返って

こんにちは。仙台大学スポーツ情報マスメディア研究所( ISIM )の二戸部です。2010年の「 i-SIM News」 も2回目となりました。受験シーズン真っ只中の皆さんは、忙しい日々をお過ごしの事と思います。仙台大学では一般入試(前期)の受付が7日から始まっています。28日までの受付ですのでまだ出願していない方はお忘れなく出願してください。本日のi-SIM NewsはISIM所長の登場です。それでは、ISIMの勝田隆所長お願いします。

ISIM所長の勝田です。今回のi-SIM Newsは少し早いですが、平成21年度を振り返りたいと思います。

スポーツ情報マスメディア研究所(ISIM)は、昨年度(2008年)を準備年とし、今年度(2009年)を開所元年と位置付けました。本年度は、外部評価委員会(4月)の開催からスタートし、外部評価委員会では、ISIMの役割と活動の独自性が論議され、委員の方からISIMの進むべき方向性について貴重な助言をいただきました。「ISIMは何を行うべきところなのか」。この本質的な問いは、ISIMのあるべき姿や価値、あるいは本質的な役割を導き出す重要なテーマであることは言うまでもなく、その問いに対するチャレンジこそ、ISIM関係者全員の共有すべき課題であると考えています。

一方、2009年、国内外においては、今までにないスポーツのコアバリュー(core value核心的価値)についての論議が見られた年でもありました。国際オリンピック委員会(IOC)は2009年10月、コペンハーゲンにおいて、オリンピック・ムーブメントの立場を再認識することを目的とした大規模な会議(オリンピック・コングレス)を開催し、「社会におけるオリンピック・ムーブメント」を発表しました。その中で「スポーツは「善をなす力」であり「平和、文化、教育を推進する手段」であると明記しました。

国内では、1961年に制定されたスポーツ振興法に代わる「スポーツ基本法案」が国会に提出され(5月29日提出、その後廃案となった)、前文の冒頭には「スポーツは、世界共通の人類の文化である」と記述されていました。

現在、経済・政治・世界は1つのキーワードでは解くことができない複雑な状況にあります。それと同時にグローバル化の波は世界の隅々にまでおよび、それに乗り遅れまいとする動きは、これまで歴史上人類が経験したことのない課題として、多くの人々に突きつけられています。このような時代の流れの中で、オリンピックを含むスポーツは人間の成長やヒトとの関わり、そして国家間の関係の新たな形を模索する重要な手掛かりであると考えられます。

このような時代に誕生したISIMは何をなすべきところなのか? 英国の哲学者ウイリアム・ラルフ・イングは、「教育の目的は、諸事実について知ることでなく、価値について知ることである」と述べたが、この言葉の意味から考えれば、スポーツを専門的に学ぶ教育機関(大学)に設置されたISIMの本質的な役割は、スポーツの教育的価値を深く探究し、その知見を教育活動に転換することに他ならないでしょう。そして、この方向性こそ、ISIMのあり方を示す考え方であると思います。


〈編集後記〉
スポーツの本質とは何か…。これはスポーツに関わる全ての人に共通する、普遍的な課題であると思います。皆さんも仙台大学に入学した暁には、ぜひ一緒にスポーツの本質を語り合いましょう!

では、寒さが厳しい時期ですが、お体を大事にしてお過ごしください。

ご意見、ご要望のある方はisim2008@scn.ac.jp へご連絡ください。(二戸部)